防災事業

平成31年2月10日 北多摩南部医療圏防災図上訓練に参加いたしました!

 2019年2月10日、多摩総合医療センターで、北多摩南部医療圏防災図上訓練が開催され、参加させていただきました。北多摩南部医療圏とは、狛江市の他に、調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、小金井市の6市で構成される二次保健医療圏の事です。この訓練には、各市の医師会、薬剤師会、歯科医師会、更には市役所の防災の担当の方々が多数参加し、総勢120名にもなる大規模な訓練となりました。狛江市からも、慈恵第3病院関連の参加者を含め20名近くの関係者が参加いたしました。狛江市医師会からも6名の医師が参加いたしました。

この訓練の内容ですが、各市がそれぞれのテーブルに分かれて、机の上に自分たちの市の地図を広げ、午前9時に大地震が発災したと想定して、どの地域にどのくらいの被害が発生し、どう対応していくのかをシュミレーションしていきました。時間の経過とともに刻々と変化する状況に対して、主催者から与えられる課題を中心に対策を検討協議していくという形式で進められました。そして、途中で、他市の災害状況やその対策も、各テーブルをローテーションして参考にしていきました。

まず始めに、発災した時に、どこに緊急救護所が設置されるかの確認を行いました。この会議に参加して下さった狛江市役所の安全安心課の方々によると、狛江市内には13か所の緊急避難所が設置されるとのことです。その各所には、発災時には、市役所の担当の方が駆けつけます。さらに、その地区のご担当の市民の方々も応援に駆けつけてくださるとのことです。ご担当の市民の方々には、頭が下がる思いです。また、このようなシステムがすでに出来上がっているのは、心強い限りです。

狛江市の地図上の特徴ですが、市の南西部には多摩川が流れております。発災時に多摩川の橋が壊れると、川崎方面への帰宅難民者が、狛江市にあふれる可能性があります。その方々のための避難所の確保も必要となってきます。また、狛江市唯一の病院かつ緊急救護所が設置される慈恵第3病院は、市の最北部に位置しています。したがって、世田谷通りより南部に位置する岩戸や猪方周辺の住民の方々にとっては、病院や緊急救護所までには距離があり、災害時の交通が滞っている状況下で、どのようにして傷病者を運んでいくかの対策も重要となります。特に岩戸、猪方周辺の道路は細く入り組んでいる地区もあるうえに、多摩川氾濫時のハザードマップでは、この地域は水没のリスクの高い地域になります。狭い狛江市の中でも、南部に位置する岩戸、猪方周辺の災害時のリスクが高く、その地区の対策が、今後の大きな課題の一つと考えられました。

大規模な災害が発生した時には、狛江市内に設置される緊急救護所は、慈恵第3病院前の1か所のみです。災害時に、そこに駆けつけられる医師会の医師の数も十分ではなく、夜間では、慈恵第3病院にいる医師の数も20名にも満たないのが現状です。また、隣の調布市も慈恵第3病院を頼りにしており、慈恵第3病院の患者受け入れの許容量を、はるかに超えてしまうと予想されます。このような状況下では、皆さんが苦労して慈恵第3病院にたどり着いても、患者さんが殺到しており、医療サイドも、とても対応しきれていないことが予想されます。対策としては、慈恵第3病院に慌てて来院する前に、ある程度の外傷の処置は、自分たちでも出来るようにしていく必要があります。また、部屋を整理し色々な物の落下を防止し、家具の固定をするなど怪我を未然に防ぐことも、重要となってきます。災害時には薬局の対応も厳しくなると想定されますので、糖尿病などの慢性疾患の方は常備薬の備蓄もしておく必要があります。

今回、北多摩南部医療圏防災図上訓練に参加しての感想です。北多摩南部医療圏の他の5市も、狛江市と状況は似ており、狛江市は、他市に遅れているわけではありません。ここ数年、災害が頻発しており、どの市も、防災に力を入れております。狛江市も、この時流に乗り遅れないように準備を急ピッチで進めていきます。また狛江市の地形や医療環境を考慮すると、狛江市民はより一層、自分自身で、ある程度応急処置ができるようになる必要があると認識しました。

以上より、今後の医師会の防災活動としては、市民の皆さんにこのような状況を知って頂き、さらには市民の方々が自分自身で応急処置も出来るように指導していくのが、目標となります。まずは、狛江市医師会市民講座等を通して、災害に対する知識や対策をお伝えし、市民の皆様が災害に対する準備をするきっかけになればいいなと考えております。また、毎年、慈恵第3病院で行われている緊急救護所設置訓練も、できれば避難所訓練と合同に行い、医療サイドと消防やボランティアの市民との連携も深められればと思っております。

まだまだ解決しなければならない課題はたくさんありますが、狭い狛江市こそ、医療、行政そして市民の方々とうまく連携してコンパクトに、災害に対する準備ができるのが理想です。市民の皆様のご協力があって、初めて狛江市の防災対策ができます。今後とも、何卒、よろしくお願いいたします。

 

 

公衆衛生 防災担当理事 原 章彦

 

平成30年10月8日に、トリアージ講習会を開催!

 昨今、頻発する大地震や、集中豪雨により、いつ災害が狛江に起きてもおかしくない状況にあります。今年の夏には、世田谷区に1時間で110㎜の集中豪雨がありました。狛江市で同様のことが起きれば、多摩川や野川も氾濫し、水害が起きる可能性もあります。

このような災害への対策として狛江市医師会では、3月の防災講演会基礎編に引き続き、9月8日に防災講演会実践編としてトリアージ講習会を狛江市役所に隣接する防災センターで、医療関係の多職種の方々を対象として開催しました。土曜日の午後にも関わらず、60名を超える参加者があり、14時から18時近くまで熱気にあふれた講習会を開くことが出来ました。講演会の講師の先生方や、会の準備を手伝ってくださったスタッフの方々、さらにはこの講演会に参加してくださった大勢の参加者の方々には、厚く御礼申し上げます。

実際に大災害が起きた時は、1000名を超える患者さんが慈恵第三病院に殺到することが予測されます。とても慈恵医大第三病院の医師や、狛江市医師会や調布市医師会の医師では、対応しきれません。その状況の中で、効率よく診療が行えるトリアージは、重要な手段です。トリアージとは、災害時等で患者数が多数で医療資源が不足している時に、より速やかに診療と搬送を行うために、患者さんを迅速に区分することです。実際には重症度によって赤(緊急治療群)、黄色(非緊急治療群)、緑(軽症治療群)、黒(治療対象外群;死亡もしくは救命困難)に区分し、各エリアで治療に当たります。このトリアージは、効率よく2名一組で行うのが理想です。判断は医師や歯科医師、薬剤師、整体師、ナースが行い、カードの記載は市役所や医療事務等の方々が担当すれば、かなり手際よく治療が進みます。今回は、その練習として、多くの医療従事者の方々に参加していただきトリアージの経験を積んでいただくのを目的として行いました。

講習会の前半は、前北多摩南部医療圏地域災害コーディネーターである森川 健太郎先生と慈恵第三病院救急医学講座准教授の大谷圭先生に御講演していただき、まずトリアージについて学びました。後半は、DMATの資格をお持ちの看護師や薬剤師の5名の先生方にインストラクターになっていただき、実技訓練を行いました。まずはトリアージエリアで、偽装患者さん(カード)を赤エリア、黄色エリア、緑エリアに種分けして、赤、黄色、緑の3か所のエリアで治療に当たる練習をいたしました。また、その統括として本部も設置し、訓練を行いました。参加者全員に順番に各エリアの体験をしていただきました。各エリアとも、大変、熱のこもった話し合いがあり、時間はあっという間に過ぎて行きました。

講演会後に施行したアンケートでは、”実際の時に動けるのか、不安になったが大変ためになる講習でした”、”トリアージを実践してみて訓練の必要性を良く感じました。災害時のパニックにも落ち着いて対応したいと思いました”、”災害時に自分に何ができるのかとても考えさせられました”、”医療職ではないのですごく緊張しましたが、訓練していて現場で役立てられたらと思います”、“またトリアージ講習会に参加したいです”など好意的なご意見をいただきました。多くのご意見をいただき、感謝しております。

講演会後の、9月30日には、慈恵第三病院で、模擬患者を用いた、大々的な緊急救護所設置訓練が、開催される予定でした。しかし、残念ながら、台風24号接近に伴う悪天候が予想されたため中止となりました。今回のトリアージ訓練の、より実践的な訓練になる予定であっただけに、とても残念でした。

まだまだ解決しなければならない課題はたくさんあります。来年には、北多摩南部医療圏の6市が共同で、図上訓練を行い、各市や基幹病院との連携を確認していく予定です。

我々も大災害に向けて準備を進めてはいますが、市民の皆様のご協力があって、初めて狛江市の防災対策ができます。今後は狛江市医師会としても、市民の皆様を対象にした、防災に関する講演会等も企画していきたいと考えております。皆さんで、大災害が起きても被害が最小限に食い止められるように準備をしていきましょう。今後とも、何卒、よろしくお願いいたします。

公衆衛生 防災担当理事 原 章彦

 

平成30年3月7日に、防災講演会を開催いたしました!

 2011年3月の東北大震災から早いもので7年が経過しました。以後、各自治体では、災害対策が急ピッチで進んでいます。ここ狛江市でも、医師会主催で、今年の3月7日に、狛江市役所に隣接する防災センターで、医療関係の多職種の方々を対象とした防災講演会を開催いたしました。

平日の夜にも関わらず、98名もの参加者があり、おかげさまで、講演会を、盛況の中、開催することができました。講演会の講師の先生方や、会の準備を手伝ってくださったスタッフの方々には大変感謝しております。また、参加してくださった狛江市(福祉保健部、健康推進課、安心安全課)、狛江消防署、狛江市薬剤師会、慈恵第三病院(医師、看護師、管理課、医療連携室)慈恵医大学生、狛江市議会議員、狛江市民(自治会、老人クラブ)の方々には、厚く御礼申し上げます。

 御講演は、北多摩南部医療圏の災害対策拠点病院多摩総合医療センターに所属し北多摩南部医療圏地域災害コーディネーター森川健太郎先生、慈恵第三病院救急医学講座准教授大谷圭先生、慈恵第三病院看護部看護主任でDMATの資格をお持ちの古沢身佳子看護師の3名の先生方に担当していただきました。森川先生や大谷先生の御講演は、とてもユニークでわかりやすく、現在の多摩地域全体や狛江市の災害に関する状況をよく理解することができました。また、古沢看護師のトリアージに関する御講演も、模擬症例のカードを用いて、トリアージカードの実際の記載も行い、とても良い経験になりました。

 

司会 原防災担当理事

森川講師

左:大谷講師

右:古澤講師


 この講演会に参加することで、明日の災害医療対策にすぐに役に立つ内容であり、参加された方々も、とても熱心に講演内容を聞き入っておりました。

講演会後に施行したアンケートでは、”狛江市の実情がわかって良かった”、 ”災害対応について改めて知る良い機会になりました”、”狛江市の防災部門にいますが、非常にわかりやすく引き込まれる講演でした”、”いい企画なので、これからも継続していただけたらいいと思います”、など好意的なご意見をいただきました。多くのご意見をいただき、感謝しております。

 講演内容を総括いたしますと、狛江市は日本で2番目に小さい市で人口密度も高く、高齢者も多いという特徴がありながら、救急対応ができる病院は慈恵第三病院のみという医療環境にあります。大規模な災害が発生した時には、慈恵第三病院の前に緊急救護所は設置されますが、そこに駆けつけられる医師会の医師の数も十分ではなく、夜間では、慈恵第三病院にいる医師の数も20名に満たないのが現状です。災害時に患者さんが殺到しても、とても対応しきれません。このような状況ですので、災害時には、慈恵第三病院に慌てて来院する前に、簡単な応急処置は自分たちでできるようにしていく必要があります。家具の固定をするなど怪我を未然に防ぐことも重要ですし、薬品不足対策として、糖尿病などの慢性疾患の方は自分の薬の備蓄もある程度必要かと思われます。一方、在宅医療などで家から出られない被災者への対応も今後の課題となります。

 まだまだ解決しなければならない課題はたくさんありますが、市民の皆様のご協力があって、初めて狛江市の防災対策ができます。今回の講演会で、狛江市の防災対策がさらに前進していくきっかけになれば嬉しく思います。今後は狛江市医師会としても、市民の皆様を対象にした、防災に関する講演会等も企画していきたいと考えております。今後とも、何卒、よろしくお願いいたします。